What's in New York

マテリアルセンター・リソース・センター ROBIN REIGI ART & OBJECTS

Hiroko Sueyoshi Planners, New York

デザイナーにとって素材の追求の重要性は計りしれない、その需要をいち早く察知して新たに発掘、開発されるマテリアルとデザイナーを結び付けるNYのマテリアルコネクションはオープン以来成長を続けている。アメリカの大手建築設計事務所や独自にマテリアルの研究所を持たない化粧品会社やファッション関連会社を中心に、今ではアメリカ以外でも世界中のデザインショーなどあちこちでその名が知られるようになっている。世界中から集められるマテリアルは独自に結成したデザイン専門家による定期的な審査を経てコレクションにされる。

NYにはまた新たに革新的でエキサイティングなマテリアルのリソース・センターが誕生している。大学でアートを専攻した30代前半の女性、ロビン・レイジが3年前に特に建築家とインテリアデザイナーを対象にオープンしたROBIN REIGI ART & OBJECTS(ロビン・レイジ・アート&オブジェクツ)がそれである。

マテリアのルメーカーとのネットワークばかりでなく、プロダクトデザイナーや、職人、技術者とのネットワークを拡張、構築し、サンプルやプロダクト情報を揃え、ベンダーの代理店としての機能も同時に果たすため、マテリアルコネクションが有料会員制であるのに対してこのROBIN REIGI ART&OBJECTSは無料で利用できるのが特色だ。

小規模ではあるが彫刻家である彼女の目利きでアート性に富んだ素材が揃えられ、NYを中心とする作家建築設計事務所のグワサミー・シーゲル(Gwathmey Siegel & Associates)やリチャード・グラックマン(Gluckman Mayner Architects)始めその他大手ではHOKなどをクライアントに持ちそのコレクションには定評がある。

個人のデザイン事務所でも全所員がマテリアル、職人、技術者を必要とする時に連絡できるリソースセンターとして重宝がられ、お互いがサポートしあいながら成長する需要と供給のバランスが見事に成立している。筆者はこのセンターを通して日本の優良マテリアルのアメリカ進出もサポートしたいと願っている。

Hiroko Sueyoshi Planner, New York

ROBIN REIGI ART & OBJECTS
http://WWW.ROBINREIGI.COM/
Hirokosuey@aol.com(日本語可)

扱っている代表的なアイテム:
アクリル ラミネート/アルミニウム フォーム/アーティサン・グラス/彫刻材、特殊木工/キャストフォーム椅子/キャストラバーおよび樹脂/コンクリート樹脂/波形合板およびガラス/グリーン、リサイクル表面材/高パフォーマンスガラス

(2002年5月)

2002-05

◆Back Numbers

2002年 4月 アメリカ初のニューメディア・アート・ミュージアム “EYEBEAM”
2002年 3月 『I want to change the world』
2002年 2月 「PRADA SOHO」オープン