What's in New York

『I want to change the world』

Hiroko Sueyoshi Planners, New York

“I want to change the world”初の包括的作品集の題名となったその言葉は傲慢にさえ響き、曲線とカラフルでソフトなマテリアルで構成されるカリム・ラシッドのデザインはヒップでファンキー。自らの作品をセンシュアル・ミニマリズムと表現するカリムは今やNYを代表するスターデザイナーでもある。だが、一見ファッショナブルな彼のデザインの背景にはモダンなモノを愛し、ソフトで、有機的なフォルムは触感に訴えビジュアル的にも楽しさを与えると信じ、オーガニックで幾何学的、テクノロジーとマテリアルを駆使したデザインへの挑戦を続ける彼の真摯な取り組みが隠されている。

デジタル・エイジに生きる我々の生活環境を構成するそのランドスケープを一新させるため、脈打って止まないカリムの創造力でマニファクチャラーマーケットの可能性を生かし、誰でもがデザインにアクセスできる数々のヒット商品を世に送りだしている。2百万個のセールスに達したUmbraのゴミ箱「Garbo」は前世紀の彼の代表作品、最近ではホテル、レストランなどインテリアも手掛け、センシュアルな生活環境は直実に増えつつある。

そのカリムの最新作品はディスクジョッキーのターンテーブル、DJ KREEMY TableメーカーはカナダのPURE DESIGN。70年代にDJの経験のあるカリムならではのアイディア。アドバンステクノロジーは誰をもDJに、そして誰をもデザイナーにすることも可能だというカリムはクラブやディスコの主役でもあるDJターンテーブルをセンシュアルに優しく美しいものに変身させた。

DJ Kreemy table には二つのターンテーブルとミキシングボード1個が設置されている。電源は埋蔵され、2通りのライティングシステムが可能。マテリアルはモールドされたファイバーグラスとスティールのベース、黄色、ピンク、オレンジ、ホワイトとカラフルな4種類。

(2002年3月)

2002-03

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2002年 2月 「PRADA SOHO」オープン