What's in New York

アメリカ初のニューメディア・アート・ミュージアム “EYEBEAM”

Hiroko Sueyoshi Planners, New York

1年間の長期におよんだコンペ審査の結果、NYのチェルシー地区に2006年にオープンする最新技術を駆使したニューメディア・アートの美術館の建物のデが発表された。このコンペはニューメディアアートの発掘とインキュベーションの両方を備える建物のデザインとしてNYの建築の新たな道を開くプロジェクトとして注目を浴びた。

デジタル、最新技術、ロボットのツールなどテクノロジーをベースにした観る人との総合的な相互関係をテーマにした初のアート専門の美術館アイビーム・アトリエのバックに存在するのは、ジョンソン&ジョンソンの家系のジョン・S・ジョンソン氏。建物の構成はアート&テクノロジーの美術館、アーティストのスタジオ、エデュケーションセンター、シアター、デジタル・アーカイブ(公文書保管所)レストラン、ブックストアが入り、工費は60ミリオンドル、1,500平米の敷地で建築面積は9000平米となる。

実際の建物の経験よりむしろニューメディア、デジタル・テクノロジーの実験的デザインで知られる30名の若手建築家の中から16組みのコンセプチャルなデザイン・プロジェクトに絞って審査され、更にありきたりの美術館のデザインではなく空間的に多様性をもたせフレキシブルなデザインで、エレクトロニック・インフラストラクチャー、未来の作品を作るための装置を用い、建物自体がニューメディアアートの作品となる取り組みの、ディラー・スコフィディオ、リーザー・アーキテクチャー、それにオランダのMVRDVの3組に絞られ、最終的に空間をプロダクションエリアと展覧会スペースのエリアに分けて、建物の中をアーティストとビジターが移動する時に交わるようなしかけにし、お互いに交互作用することによって美術館を訪れること自体がニューメディア・アートのイベントになるようなデザインを提案したディラー・スコフィディオに決定された。

(2002年4月)

2002-04

◆Back Numbers

2002年 3月 『I want to change the world』
2002年 2月 「PRADA SOHO」オープン